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ドビュッシー「版画」第1曲「塔」(パゴダ)
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    「版画」はドビュッシー(1862〜1918)が1903年に完成した3曲から成る作品です。
    ドビュッシーの20代の名曲「月の光」に例えられるようなロマン派的作風が薄まり
    印象主義音楽の書法で作られています。
     
    第1曲めの「塔」は
    パリ万博で初めてガムラン音楽演奏を目にしたドビュッシーが、
    「スレンドロ」という5音音階を用いて東洋の世界を想像し曲にしました。

     
    一般的に西洋のロマン派までの音楽は長音階、短音階で書かれていて
    これらの音階は7つの音で構成されています。
    5音音階との違いを、一言でいうならば
    はじめと終わりがはっきりわかるのが西洋の音階ではないでしょうか。
    それぞれの音には役割があり、始まりの音、終へ向かう音、その代役など
    役割を果たしています。これらの音階を使った長調、短調は、まずそこで
    おおよそ曲の性格が決まります。

    それに対し5音音階を使ったこの曲にはどこか、ぽっかりと空(くう)を感じます。
    あっけらかんとした感じ、嬉しいのか悲しいのかわからないような。
    現実離れした、想像の世界、夢想の空間。

    この曲を弾いていると、ただ東洋の音を使って作ってみた音楽としての成果だけでなく
    ドビュッシーが思い描いた東洋の神秘的な風情や思想をも感じることが出来ます。
    曲の終結部では繊細なアルペジオのヴェールの下、曲中の全ての主題が浮き彫りにされますが
    まるで曲の中を生きた各テーマの輪廻転生をあらわしているようにも感じられます。

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