夜にかけて、雨と風がますます強まる。
ルーは雨がバラバラと雨戸にうちつけ、風でガタガタとなる音に
少し心細くなった様子、
今夜は枕でなく私の膝で眠りの世界へ。

窓を開けてみると、気持ちよく雨が降りつけている。
家の横の、海に続く小さな流れは川のようになっている。
雨あしが強くなったり、弱くなったりして、
地面や小川からは豊かな音が聞こえて来る。
自然という音楽家が奏でる雨の夜の音楽。

雨は地上と天空がひとつの世界であることを感じさせてくれる。
雨粒は、遠く高い空から落ちて来て地面か海か何処かに落ちて
地面にしみ込むか、海の水となるか、、、
ためらうことなく落ちて来た所に落ちる。
引力の法則そのままに。
ピアノもこんなふうに奏でたい。
指と腕と肩と、体全体がつながっていて
指が触れ落ちた鍵盤のそれぞれのところで音が出て、音楽になるように。

HP「ピアノパレット」に<Kaoru Plays Chopin>のコンサート風景を
アップしました。
ブログと違って、HPだと、その時を留めておけるので
最近はコンサートごとに新規ファイルを作っています。
htmlタグを使っての手順もこの5年で身に付き(ずいぶん年月かかってます〜)
今回も、どうやらできあがりました。
実は結構、この作業が好きです。
段階を踏んで少しずつ出来て行く過程が楽しいです。


それにしてもピアノを弾き続けていくことは、私にとって一生過程で
「これでできあがり」という思う時は、幸いなことに来ないでしょう。
曲はいつも生きていて、弾くたびに生き物に触れるような感じがします。
本番で、それまでの過程をただ上手になぞって見せるような
スタンスの演奏だけは、したくないと思っています。


ショパンのト短調のバラードは、全く凄い世界です。
弾いていて、自分がどこまで、ショパンのパッションを体現できるのか、
弾く前は、大海を泳ぎ始めるような気持ちもします。
そして弾き終えると浦島現象のような感覚になります。
23日に弾いたときもそうでした。
あの曲は約10分の曲ですが、
両の手で出した最初の1オクターヴの音程の2つのドの音が、
減衰して霧のようになっていくのを耳で追いはじめると、現実意識が薄まり、
音の夢想へと誘う幾重ものヴェールをかいくぐるようにして、
日常とは違う、あの作品の次元に行ってしまいました。
不思議の国のアリスが、空想力というウサギを追いかけて
無我夢中でトンネルをくぐって行ったように。
恐ろしいほどに正真正銘、まさに純粋に音楽のみの世界。音による時間、空間。
音によって語られる物語、音楽の海、そのなかで自分自身と邂逅するような
不思議な感覚。
どこをどう弾いたかという実感が何故か飛んでいってしまっています。
死後の世界では、あんなふうな、自分であって自分でないような
不思議な感覚だけになってしまうのかなと思ったり。


皆様のおかげで無事コンサートを終えることができました。
ご来場下さった方々に心より感謝いたします。
ありがとうございました。
カフェ豆ちゃんでの
『プレイズショパンコンサート』
次回は11月の予定です♪

今朝も開店前のカフェ豆ちゃんに行き弾きました。
車を停めた駐車場の人から今朝も「いってらっしゃい」と
声をかけられ「いってきまーす」と答えて歩き出すと
自由な気分。朝の風は新しくて爽やか。

店主の吉田さんが床にモップをかける横でこちらはピアノに没頭。
で、また吉田さんが反対側の横で床にモップを、、、。
なんだかまるで、立ち読みしている迷惑客の横でお店の人が
ハタキをかけてるの図(笑)

吉田さんの奥さんはパンを仕込み、やがてオーブンからは、
芳しい焼きたてパンの香りがしてきます。お腹がキュルル〜。
音も香りも姿形は見えねども、その存在感は見えるもの以上に
体に直に伝わって来ます。


ブドウが沢山入っている一切れを、写真に撮る前に食べてしまいました。あらら。
おいし〜いクッキーモンスター





昨日19日、カフェ豆ちゃんのピアノの調律。
調律は信頼してお願いできるM野さん。
いつもながら、素晴らしい。1音1音が透明で、
そしてハーモニーがふわっとまとまっています。
調律の仕方にも色々な考え方があるようですが、
M野さんの調律は、ピアノの低音部から高音部まで
つながっていて、弾いていて響きが膨らみ行き渡る快感を感じます。
継ぎ目の無い一枚の大きな布を、ふわんとひろげるような気持ちよさです。
昨日もまず、感激。演奏への安心感がもてました。
そして、その後、
ペダルを使うと出てしまう雑音を取り去ることに時間がかかりました。
数時間費やして、原因を探りいろいろ試した結果、直して下さいました。
ブラボーびっくり

そういうわけで昨日は、遅くまで、休日の豆ちゃんにいましたが、
今朝は、また早速出かけ弾いて来ました。
コンサートで弾くピアノが自分のものになってくれば来るほど、
「その楽器でどこまで表現できるだろうか」という不安感、ストレスを感じずに、
音楽に集中して演奏できます。表現意欲も研ぎすまされます。



〜プログラム〜
前奏曲 変ニ長調「雨だれ」Op.28-15
即興曲 変イ長調 Op.29
幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66
ワルツ へ長調 「グランド・ワルツ・ブリランテ」Op.34-3
マズルカ Op.17-2,3
夜想曲 変ニ長調 Op.27-2
バラード ト短調 Op.23

今の私の全てを注いで、ショパンの音楽世界を表現したいと思います。
予約はおかげさまで満席となりました。
23日に皆様とカフェ豆ちゃんでお会いするのを楽しみにしています。


樺島町の「タイピント画廊」で5月22日まで開催中の
『祝利恵子鉛筆画展』に行きました。
鉛筆やボールペンだけで描かれた世界が素敵でした。
お絵描き好きのルーは、長い巻き紙の作品に興味津々。


タイピント画廊の近くの小さな公園で。
ブランコ大好きなルー。

夜11時を過ぎ、明日の運動会のお弁当作り開始。
私の定番料理、鶏モモ肉の照り焼き。照りをだすために
みりんの代わりにハチミツを使うと鶏もやわらかに。
冷めて味がしみた時がおいしいので、今のうちに作って1品クリアー。
ブログ更新中にできあがり〜おいしい
あとはトンカツと目玉焼き(ルーのリクエスト、お弁当なのに何故目玉焼き。。)
卵焼き。スパゲティー。煮物はおばあちゃんにお任せ。おにぎり15個。
明日はたぶん5時起き朝

もうすぐルーは運動会。
学校は、毎日運動会の練習。
昨夜「クラスで一番かけっこが遅い」と爆弾発言。かめ
「どういうふうに走ってるの?」と聞くと
走る真似をしたが、手が垂れたままの、ペンギン風フォーム。
ルーちゃんそれは
「走っている」というより、「急いでる」って感じだねえ。
早く動いているのね〜。いいよいいよ、それで。ウサギ

ところで速度を表すPresto(プレスト)はイタリア語ですが、
イタリアでの日常の使われ方をみなさんはご存知ですか?
私はこの本を読んではじめて知りました。
一般的な音楽用語辞典などでのプレストの意味は「急速に」です。
以前はプレストと見ただけで
自分の限界にいどむ(笑)高速テンポを想定し、動悸息切れがしていましたが、
この本のおかげで、救心。ハート
昨年、著者でピアニストの関孝弘氏の講演に行きましたが、
お話がまたとてもおもしろく、そしてためになりました。
ポイントは、イタリアでは特別な音楽用語というものは無く、
日常の言葉がそのまま音楽の表現にも用いられているという点でした。

ショパンの即興曲1番は、Allegro assai,quasi Presto
アレグロ・アッサイ・クワジ・プレストは
一般的辞典の訳だと、「とても速く、ほとんどプレストくらい急速に」です。
本のネタばれになるのでここでは詳しくは書きませんが、
上に書いた訳だと、ただただ、「速さ」だけの問題のように
思えますが、実際は「プレスト」も「アレグロ」も
もっと色んな意味合いを持つ言葉です。
どうぞご一読下さい。

この曲の最初のところの雰囲気は
きままなドライブに出かけた、軽やかな一日のようなわくわく気分。
即興的なフレーズのモチーフを使って、
次々着想が閃きのように展開していきます。
吹き抜ける初夏の風みたいにも
恋に恋してる熱に浮かされた早口のお喋りにも
感じられます。

「昨日のブログ見ました」と、Mちゃんとお母様からお花を頂きました。
ダリア、前向きで明るく力強さを感じるお花です。
練習一色の毎日の今の気分にぴったりです。ありがとうございます。
またお世話する子(?)が増えて嬉しい、植物の世話好きポプリです。

わたしたち人間は、足でどこへでも自由に行けるということが植物と違うけれど、
植物を見ていると、何かに根ざして生きて伸びてていくというテーマを感じます。
人生という時間に歳ごとに深く根をはって、
ピアノを弾き続けるなかに「今この時」を感じながら
私なりに成長したいと思います。


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