ベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」月光」「テンペスト」「熱情」
のプログラム。
2005年から2008年にかけてベートーヴェンのピアノソナタ全曲演奏会を
完遂したドイツのピアニスト、ゲルハルト・オピッツの奏でるベートーヴェンは
大きな安心感をもって聴けました。
しなやかな鞭のように柔軟な手首から
生み出されるピアノの音は
暖かく、深く、生命感に溢れていて、
「月光」1楽章も繊細すぎず、全体を通して おおらかでさわやか、そして包容力ある演奏でした。
後期の作品も聴きたかったです。
オピッツのブラームスも聴いてみたくなりました。
見ていると、ソフトペダルをたくさん用いての演奏でした。
ひょっとしたら、ピアノのハンマーの轍を少しずらすためだったのかも
しれないと、私は思いました。
そのおかげで、倍音の含まった、ふくよかな響きをベースに
ここぞという音は、はっきりしたタッチで際立ったとおる音で聴かせて
めりはりのあるハーモニーづくりに成功していて
曲の解釈がよく理解できました。
ウィルヘルム・ケンプを師としたということは
故デートレフ・クラウス先生と同じ系譜ともいえる
ピアニストであるオピッツの音楽を聴いていて
音の強弱のバランスのとりかたや、フレージングの間あいに
クラウス先生の音楽が胸に甦りました。
ドイツ語の言葉のリズムが曲の句読点に関係あるのでしょう。
歌うように、時に語るように奏でられたベートーヴェンでした。
奏法も曲の解釈も、大変勉強になり感謝です。
観客席全体が音楽への愛に根ざした真面目で慎ましい人柄
そして本物の音楽に魅了された夜でした。
のプログラム。
2005年から2008年にかけてベートーヴェンのピアノソナタ全曲演奏会を
完遂したドイツのピアニスト、ゲルハルト・オピッツの奏でるベートーヴェンは
大きな安心感をもって聴けました。
しなやかな鞭のように柔軟な手首から
生み出されるピアノの音は
暖かく、深く、生命感に溢れていて、
「月光」1楽章も繊細すぎず、全体を通して おおらかでさわやか、そして包容力ある演奏でした。
後期の作品も聴きたかったです。
オピッツのブラームスも聴いてみたくなりました。
見ていると、ソフトペダルをたくさん用いての演奏でした。
ひょっとしたら、ピアノのハンマーの轍を少しずらすためだったのかも
しれないと、私は思いました。
そのおかげで、倍音の含まった、ふくよかな響きをベースに
ここぞという音は、はっきりしたタッチで際立ったとおる音で聴かせて
めりはりのあるハーモニーづくりに成功していて
曲の解釈がよく理解できました。
ウィルヘルム・ケンプを師としたということは
故デートレフ・クラウス先生と同じ系譜ともいえる
ピアニストであるオピッツの音楽を聴いていて
音の強弱のバランスのとりかたや、フレージングの間あいに
クラウス先生の音楽が胸に甦りました。
ドイツ語の言葉のリズムが曲の句読点に関係あるのでしょう。
歌うように、時に語るように奏でられたベートーヴェンでした。
奏法も曲の解釈も、大変勉強になり感謝です。
観客席全体が音楽への愛に根ざした真面目で慎ましい人柄
そして本物の音楽に魅了された夜でした。
- 2009.11.30 Monday
- 本 絵 映画 催事
- 23:49
- comments(2)
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- by poprin